次世代都市国際連携研究機構では下記のとおり都市史学会大会「大災害の記録と記憶」を共催しました。
機構から加藤耕一教授、勝田俊輔教授、羽藤英二教授、中尾俊介特任助教が登壇し、日本近世史、近現代史、社会学、東アジア近代史、西洋建築史・近代建築史の研究者を招聘しました。

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会誌『都市史研究』第11号(山川出版社、2024年11月)に大会記録、論考が掲載されました。

2023年度都市史学会大会

大災害の記録と記憶


主催:都市史学会、共催:東京大学次世代都市国際連携研究機構、東京大学ヒューマニティーズセンター
[日時] 2023年12月16~17日(土・日)
[会場] 東京大学工学部1号館 Zoom会議によるハイブリッド開催
[開催趣旨]
1923年に発生した関東地震は、大火、虐殺事件をともなって死者10万人超という甚大な被害をもたらした。100年がたった現在、東日本大震災をはじめとする21世紀の災害からの復興が継続するなか、さらなる巨大地震の到来が予測され、気候変動により激甚化する豪雨災害、コロナ禍や国際情勢の変化など、身近な場所から世界各地にいたるまで我々は危機を断続的に経験している。いま過去の災害を見なおすことは、都市史研究にどのような問題提起となるだろうか?
本シンポジウムでは、災害の後におこなわれた多種多様な記録の作成と、有形・無形の伝承による都市の記憶の蓄積に注目したい。そこには当時の組織、都市社会、政治体制、国際関係等の特質が表現され、さまざまな主体による災害後の都市、地域にむけた思想が込められたものと思われる。こうした営みをあらためて史資料から見直すことで、災害からみる都市史の可能性を模索したい。この作業はひるがえって、東日本大震災の後に大きな潮流となった災害史研究を受け継ぎ、危機のなかにあるわれわれ自身の「災後」を展望することにつながるはずである。

[プログラム]
12月16日(土) 12:30~17:30
14:00~15:00 総会
15:30~17:30 研究発表

12月17日(日) 9:30~17:30
9:30~11:30 基調講演、展示史料の紹介
基調講演 鈴木淳(東京大学/日本近代史)「関東大震災時の東京における消防活動の記録と記憶」
展示史料の紹介 勝田俊輔(東京大学・西洋史)

13:00~17:30 シンポジウム「大災害の記録と記憶」
趣旨説明 加藤耕一(東京大学/西洋建築史)
報告1 羽藤英二(東京大学/都市工学)「原発と津波―復興はどう記憶されていくのか―」
報告2 岩淵令治(学習院女子大学/日本近世史)「近世都市鳥取における水害記録作成と「活用」」
報告3 赤川学(東京大学/社会学)「関東大震災下の東大医学部」
報告4 吉田律人(横浜都市発展記念館/日本近現代史)「体験記から描く関東大震災―横浜市民の個人記録を中心に―」
報告5 武藤秀太郎(新潟大学/社会思想史、東アジア近代史)「東アジアからみた関東大震災」
コメント 頴原澄子(千葉大学/西洋建築史・近代建築史)
司会 中尾俊介(東京大学/建築史・都市史)