2023年度も次世代都市国際連携研究機構と連携し、東京大学復興デザインスタジオを実施いたします。
今年は「東京計画2050z」と題し、関東大震災から100年という節目に、首都直下地震を想定した東京の事前復興計画を考えます。
スタジオ概要
1923年9月1日、相模トラフで発生したマグニチュード7.9の関東地震は東京・横浜に甚大な被害を及ぼし、大火の発生もあって死者・行方不明者は10万5385人、住宅の被害は37万2659棟にのぼった。こうした関東大震災からの復興事業(帝都復興事業)においては新しい都市計画手法の適用が試みられ、復旧にとどまらない都市構造の抜本的な改変が目指された。実際には計画の遂行は困難であり、都市問題の解決には多くの課題が残されたが、このときに建設された道路や公園、橋梁には、現在もストックとして残るものが少なくない。
さて、現代の東京は次なる大地震の到来をまつ災間にある。東京都の予測によれば、都心南部を震源とするマグニチュード7.3の地震がおこったとき、想定死者数は最大で6148人、建物の被害は19万4431棟、避難者は299万人にのぼるという。では今、首都直下地震への事前復興からどのように次世代の東京を構想できるだろうか?それをどのように提起し、議論できるだろうか?
本スタジオでは、関東大震災100年の節目をとらえ、都市展示・フィールドツアーと連動した次世代の首都構想の提案をテーマとする。きたる直下型地震への事前復興を念頭に、100年前の震災を多角的に読み解き、その復興過程における論点を踏まえ、次世代の首都像を考えてもらいたい。
対象地域:江東区・墨田区・文京区および広域分析
特別レクチャー:4/24 伊藤毅(建築史・都市史) / 5/1 高山明(演出家) /5/15 浦田淳司(交通計画)
担当:羽藤英二・福田大輔・横張真・中島直人・大月敏雄・本田利器・中尾俊介・小林里瑳・渡邉萌