次世代都市国際連携研究機構では、分散型都市モデルに関する公開セミナーを開催しました。

次世代都市国際連携研究機構公開セミナー

建築から考える都市の集積・分散とインクルーシブネス


[日時]
6月8日(木) 18:00~19:30 オンライン開催

[プログラム]
話題提供 加藤耕一「建築から考える都市の集積・分散とインクルーシブネス」
討論
参加メンバー(当機構):横張真、勝田俊輔、小熊久美子、祐成保志、西成活裕、本田利器、小澤一雅、中尾俊介(進行)

概要
報告では、現代社会をふまえて分散型の都市構造をかんがえる際に、おなじく21世紀的な建築の課題としてあげられる既存建築の活用の問題をどのように勘合しうるかが説かれた。
具体的なヒントを得るために、100年前におこった関東大震災からの復興において、東京大学のキャンパス計画がどのように変化したのかが紹介された。内田祥三によるキャンパスの復興計画ではゴシック様式の校舎が建てられたが(「内田ゴシック」の名で知られる)、1930年代の建築界の潮流からすれば古めかしい様式の選択であった。その背景は不明だが、ゴシック様式を記号として、被災前の明治のキャンパスを引き継ごうとしたものと考えられる。現在の駒場キャンパスについても、震災直前に描かれたキャンパス計画は既存の建築や配置を踏襲しないものであったが、震災復興においては旧一高の建築を再利用し配置計画も類似したものとなった。
討論においては、建築の更新サイクルの長期化を社会的、技術的にいかに実現しうるかについて議論がなされた。